現在、サッカーW杯が行われている南米の国ブラジル。
かつて南米のバレー強豪国といえば、
ペルーのイメージが強かったが、1990年代に入ってからは、
男女ともにメダル常連国となっている。
なぜブラジルはバレー強豪国になったのか。
意外と知られていないことだが、
現在のブラジルバレーの基礎は、
かつての日本バレーから来たものなのだ。
女子のギマラエス監督は、
かつて日本に滞在しバレーの研修に励んだ。
1976年のことだから、日本がモントリオール五輪で、
1セットも失わない完全優勝を成し遂げた時で、
まさに絶頂期にあった頃だ。
また、男子のレゼンデ監督はミュンヘン五輪金メダリストの、
名セッター猫田勝敏氏から影響を受けたという。
よく日本では、バレーボールに限らず、
世界大会で敗退すると「フィジカルの差」を口にすることが多い。
何十年も結構同じことを言っているが、
では、それを改善しようという取り組みは、
どれほど行われてきたのだろう。
そもそも、フィジカルの差が本当に敗退の原因なのか、
きちんと検証された様子もないのが、ほとんどの場合である。
ブラジル代表は、男女とも世界に比べて、
それほど身長が高いわけではない。
しかし、その差を意識したトレーニングを積むことによって、
トータルにフィジカルを上げる努力をしている。
また、日本と違い、ポジションを若い内から固定しないなど、
様々な工夫をしている。
日本も試合でのデータを駆使するなどの部分は成功を収め、
久しぶりにメダルを手にすることができた。
しかし、選手育成の部分では、
まだまだ世界から遅れているのではないだろうか。
どんなものでも原因があって結果がある。
サッカーだけではなく、バレーボールもブラジルから学ぶことは多い。